⑤ ゆたかグループ

ゆたかグループ
わかやま働コーナー 企業調査隊 若年者地域連携事業

地域の中小企業への理解を深めて頂くために、
県内大学のキャリアセンターと連携し学生を募り、企業調査隊を結成しました。
学生レポーターによる企業取材を行い、県内企業の魅力をWEBで発信しています!

取材に御協力頂いた企業は全5社!

ゆたかグループ
タクシーや観光バスなどの旅客運送事業などで知られている、ゆたかグループです。ゆたかグループは他にも旅行業、介護、福祉タクシーや地域情報メディア等の観光事業により和歌山市のまちづくりや、観光立県和歌山に繋がる事業展開をしています。

★インタビュアー
和歌山大学 藤原 帆七海さん
和歌山大学 中野 蒼彩さん
取材に行った感想は最下部から!【感想はこちら】

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インタビュー:代表取締役社長 豊田 英三様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.御社の事業内容について教えてください。

 我々の事業につきましては旅客運送事業と旅行業の大きく2つに分かれています。旅客運送事業というのは、いわゆる観光バスやタクシーという事業で、地域交通とインバウンドを含めた国際観光の両方をやっております。

【学生】有難うございます。

 Q2.アメーバ経営について詳しく教えてください。

 アメーバ経営というのは、京セラ株式会社創業者である稲盛和夫さんが考え出された経営手法です。各部門を一つのアメーバと捉えて、収益と支出を部門別に集計し、部門別採算性を求める経営手法です。そうすることによってあらゆる部門が、流れ作業にならないように目標を持って予算管理して仕事を行っていきます。そうしてイキイキと人が活躍できる指標となるようにアメーバ経営を導入しています。

【学生】御社ではどのようになさっているんですか?

あらゆる部門、間接部門である総務部門を含めて、バス・タクシー・旅行部門を区分けにし、それぞれが年間、月間の目標を立て、それを1週間単位で繰り返して、今2週間の活動がどう目標達成に対して良かったか悪かったかを改善しています。毎週月曜日にミーティングをし、部門ごとに今後の展開について、皆と協議しながら進めている所です。

【学生】有難うございます。

 Q3.地元密着型の旅行会社において、大手と差をつけるためにされているこ
とは何ですか?

 旅行業界にはいくつか変遷があるのですが、古くは全国各地に地域の旅行会社があり、地域営業からスタートしています。それ以外に大手旅行社にはたくさん支店があって、地域や海外の市場を国内の旅行会社がシェアしていました。また時間が経ってオンライントラベルというネット上で全ての予約が完結することになり、格安チケットを含めて実店舗の旅行車の代行をしてきました。その中で我々はローカルな旅行社はどうするんだという話なんですけど、顧客のニーズを捕まえてそれについて提案し、こういう広告を使っていくのも提案型で、そういった提案型の営業を進めています。

また大手の旅行社のパッケージ商品を取扱いしていますので、安心を求めて海外旅行されたい方については、JTBさんや日本旅行さんの商品をご紹介し、それ以外の地域の色んな人を知りたい、色んな体験をしたいのでしたら、我々の方で知識と経験から得ている情報をもとに旅行商品の中でご提案を行い、旅行に行っていただくという形にしています。いわゆる流行の潮流を作っているのが、大手の旅行社としたら、一人一人のニーズや流行に変わらないニーズを捕まえて、「こういうとこ面白いですよ」、「安全ですよ」というのを加味して提案していくのが我々の仕事と、こういう風に分かれたような形の仕事を目指しています。

【学生】一人一人のニーズに応じるために、どういう方法でたくさんの方と意見の交換をされていますか?

予算があり、シーズンがあって、健康状態や男性・女性であるなど、様々なニーズがあります。例えばトイレが近いという方もいれば、高齢なので歩くのがおぼつかないという方もいます。そういう方については、どういった旅行を提案できるのか。一律のバス旅行、パッケージ旅行だと、なかなかそれは出来ない、また予算的なものもある。国内旅行でも安心して行っていただけるような旅行方法もありますので、そういったものを提案するというのが一つです。

また新たな市場ですけど、LGBT市場というのがありまして、今10%ほどのLGBTの方がいて、旅行になかなか行きにくいという声があります。そういった所も今後色んな情報を仕入れながら、ではどういう旅行の先でLGBTの方が快適に旅行ができるかという事を踏まえて、年齢や国籍、あるいはジェンダーにとらわれないような旅行を提案し、こうした手法を水平展開していき、お客様の相談にのれるのが、我々の仕事なのかなという風に思っています。

【学生】有難うございます。

 Q4.アフターコロナにおいての観光客の取り戻し方を、どのようにしようと
考えていらっしゃいますか?

 2020年上期日本の国や各都道府県、市町村等におきましては観光産業、昨年比90パーセント減っていう数値が出てきたんです。我々の会社もそうなのですが、それが8月に入ってGo To Planが出来てから非常に状況が変わりまして、この和歌山であっても昨年に対して100%超えている宿泊客のお客様がいらっしゃる市町村が出てきております。それもこれも全ては県や市、国の制度によって、それに上手く乗れているような事業所様は復旧することが出来ています。

我々につきましても、そういった制度を活かして今までの営業方法を置いといて、それに新しい商品を載せる、ないしは今現在新しいWEBサイトを作っている所なのですが、そういったところからお客様に来て頂けるように、新たな販売を創り出すことをしています。

【学生】有難うございます。

 Q5.今後の事業展開について教えてください。

 今後、バス事業、タクシー事業、復興事業を融合させながら仕事を進めていたのですが、今コロナという状況になりまして、大きく変わりつつあります。

これも東京の経営者の方に色々お話を聞いていましたら、東京の丸の内の8割の人が出勤しないで、ほとんどの方が在宅勤務をされているということです。和歌山のフィールドさんは在宅勤務が進んでいまして、ビジネスでお客様が来られなくなったというのが現状です。

旅行も制限されている。その中で我々のもっている特性、バスは何が出来る、タクシーは何が出来る、ではここは何が出来るっていうのを、今回一から進めていくのが今やっている作業です。その中で出てきているのは、例えばスマートシティやスーパーシティという話があり、もともとは東北の震災復興で街作りをしていて、それに乗っかって色んな街作りが起こっています。それは全部様々な情報を拾い上げて、一番効率のいい街作りをしています。その中の一つが我々交通産業で言いますと「マース」という話がありまして「モビリティ・アズ・ア・サービス」という略なんですけれど、最適な運営をされる交通手段が簡単に分かっていれば、そういう交通手段をもって様々な場所に移動できます。そういうサービスを今後展開出来ればと思い、その研究をしている所です。

【学生】「マース」について、もう少し詳しく教えて頂いてもよろしいでしょうか?

一番の事例っていうのが「マースローカル」という会社がありまして、それがフィンランドのヘルシンキに行きますと、例えばスマートフォン上で一番効率の良い行き方や、一番早い行き方、一番楽しめる行き方など検索出来るのです。例えば低コストでどこか目的地に行きたいとなった時に、レンタサイクルが一番安かったりします。乗り合いのタクシーとかLRTなど走っていて、LRTの乗り継ぎや電車もあります。そういった交通サービスの一元管理が出来ている。ないしはそれにプラスして、関西圏では滋賀で実証実験をされているのですが、例えば同じような仕組みを考えますと、和歌山城から和歌浦に行きたいとします。次のバスの待ち時間が30分あります。その30分の間何をしようかといった時に、30分で出来るもの、例えば近くにカフェがあります。そこでお茶を飲んで行くのが30分使える。ないしは近くに和歌山城のお茶屋さんがあります。そこを見学して30分使える。そういった情報がどんどん出てくる。WEB上に様々な情報が載っかり、我々の交通手段を選んでいけるということが、観光型マースという仕組みとなります。

【学生】今は実験段階っておっしゃったのですが、「マース」っていうのは和歌山ではいつ位にできますか?

マース自体の構想は和歌山では無いんです。今はまだ和歌山の方針の権利っていうのは市でして、今県は推奨してどんどん実証させていきたいと思っているのですが、それには地域の賛同がないといけないし、実験的にやっていこうという機会が必要で、交通事業者など様々な参加者がいるのです。それが今何も起こっていない状態で、その起こっていない状態の中で、弊社は色んな所に行って研究し、「もし、じゃあこうします」と言った時に、いち早く参加できるように用意しているというのが現状です。

 Q6.アフターコロナの仕事の展開について教えてください。

 仕事につきましてはよく言われることですが、10年20年後にその仕事がありますかという話がよく今出ています。今ない仕事も多いんです。無くなる仕事は何かというと、機械に入れ替わるとか、ないしはAIなどに代わる仕事はいらなくなってくる。では何が必要かと言った時に、手作業であったり、人と人とがサービスを提供し、受けて喜びを感じられるという風に思っています。例えば1つだけのサービスではなくて、同じ人が2つも3つもサービスが出来る、全てお客様の為にどうしてあげたらいいのか自ら考えて動ける、その為の様々な技能を持っているところが、今後必要とされる仕事の在り方なのかという風に思います。

例えばおうちのお父さん、お母さん、お爺ちゃん、お婆ちゃんには役割がありますが、昔は誰もがどんな役割も出来たんです。物が壊れたら大工仕事をやるとか、お弁当から朝ご飯、晩御飯、何でも作ってくれるとか。またそれぞれがお手伝いしていました。仕事では昔は「これを専門的にします」というのが職人であったのですが、今は誰でもでき仕事もこれしかしませんという傾向があります。しかしながら今後は何でもしていかないといけない、手に職をつけるという意味あい、あたたかい気持ちで色んな人を受け入れて仕事をやっていく気持ちです。仕事をする上で「これしか出来ません」、「あれしか出来ません」ではなくて、「あれも手伝います」、「これも手伝います」とその仕事の在り方が今後の在り方だと思います。弊社ではタクシードライバーからライフサポーター、ドライバーガイドへの職種転換をこれから図るところです。生活、地域交通のお手伝いをしますというライフサポート。和歌山を、国内をご案内しますというガイドということです。

グローバルとローカルの話をすると、グローバルの経済についていけるようなAIや発明などそういうモノを創造する仕事と、もう一つはローカルで地域に愛されて地域の人に役立つような仕事、この2つに分かれるかと思います。我々は地域のサービスを提供する仕事ですので、いわゆるローカルの心のあたたかい人を育てて、教育することが重要になっていくのかなという風に思います。

【学生】有難うございます。

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インタビュー:旅客運送現業職 辻本 拓哉様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.旅客運送を担当されているという事ですが、普段どのような仕事をされ
ていますか?

 私は観光バスの運転手です。県内はもちろん海外への日帰りや宿泊コース、インバウンドも運行しています。観光の仕事のない時は、冠婚葬祭やマイクロバスの送迎などの運転をします。

【学生】有難うございます。

 Q2.お客様との関わり方において、重要なことを教えてください。

 丁寧な接客はもちろん必要なのですが、ご利用されるお客様のニーズは様々なので、挨拶や接客の仕方を臨機応変に変えていくことが重要だと思います。お客様が気を使わずに過ごせるように心掛けています。

【学生】有難うございます。

 Q3.この仕事で苦労されている事や、やりがいについて教えてください。

 苦労していることというか、難しいことなのですが、運転手にとって安全運転が、何があっても最優先となりますので、安全の意識を高く持ち続けることが一番大切なこと、同時に最も難しいことだと思っています。

やりがいを感じる瞬間は、お客様からの「有難う」の言葉を頂いた時です。前に高野山まで乗車された方が下りる際に、「いつも車酔いするんです、今日は酔うことが無かったのでスムーズな運転を有難う」と言われたことがありまして、その時はすごく嬉しかったです。感謝の気持ちを直接伝えてもらうことが、本当に運転手冥利に尽きることだと思います。

【学生】有難うございます。

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インタビュー:営業職 尾花 祐佳様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.御社の仕事内容を見ていて、アイデア力があることを感じたのですが、
どうやってアイデアをイデアを出し合っていますか?

 アイデアを出す時なのですが日々生活していく上で、旅行関係のことだけではなくて、色んな事に興味を持つことが大切かなと思っています。新しいアイデアを生む時に、色んな事に関心を持つことで、新しい知識や情報を自分のものに出来ると思います。営業を行っていく上でお客さんと信頼関係を作ることが凄く大事だと思うのですが、そういった時にお客さんと共通の話題が出来たり、お客さんに興味を持ってもらうと信頼関係を早く築くことが出来ると思うので、アイデアや知識を身に付けることが凄く大切なことだと思います。

【学生】はい、有難うございます。

 Q2.旅行行程を作る際に、どのような点(目的、費用など)に重きを置いて
作成していますか?

 お客さんの希望に合わせた工程が一番大事なのですが、お客様のニーズは団体様とか年齢によって様々で、たくさん目的地を周りたい人や、一つの観光地をじっくり周りたい人など色んな人がいると思います。そういう時には一番初めにヒアリングすることを心掛けておりまして、お客様の要望を絶対一番始めに全て聞き出すようにしています。そこからお客様に合った旅行行程を組むことで、またお客様に対して満足度の高い旅行にして頂くためにも、時間配分の調整の提案をさせてもらったり、あと「今ここが人気です」などおすすめの観光地も提案するようにしています。

【学生】有難うございます。

 Q3.Go toキャンペーンを使って、旅行する観光客は多いですか?

 徐々に増えておりまして、10月から旅行先で使える地域共通クーポンが始まります。Go To キャンペーンを利用した方には、金額に応じて地域で使える共通クーポンが貰えるので、それを目的として行っていただく方も増えるのではないかと思っています。

またユタカ交通ではコロナウイルス感染対策としまして、アルコール消毒や、社内の換気システムなどの説明をお客様に安心して旅行に行っていただけるよう、事前に説明することを心掛けております。

【学生】有難うございます。

取材の感想
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☆藤原 帆七海さん
地域密着型の旅行会社として工夫されている点を伺う事ができ、良い勉強となりました。
また、大学生の私達にも理解できるように、具体例を取り入れながら説明をして下さったので、より理解を深めることが出来ました。
今回の取材で一番感じた事は、お客様ファースト!という精神です。 直接お話を伺ったからこそ、より熱意が伝わり貴重な経験が出来ました。

☆中野 蒼彩さん
今回、ゆたか交通株式会社に訪問させて頂き、観光業界で働く人の生の声を聴けたことをとても嬉しく思いました。
普段聞けない営業戦略や、今後の事業展開、アフターコロナの取り組みなど、様々なことを教えていただき、とても感謝しています。大学卒業後の進路を考えるきっかけにもなりました。

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