⑥ワコン株式会社

ワコン株式会社
わかやま働コーナー 企業調査隊 若年者地域連携事業

地域の中小企業への理解を深めて頂くために、
県内大学のキャリアセンターと連携し学生を募り、企業調査隊を結成しました。
学生レポーターによる企業取材を行い、県内企業の魅力をWEBで発信しています!

取材に御協力頂いた企業は全6社!

今回、ワコン株式会社の動画は、和歌山信愛大学の学生が取材いたしました。
ぜひご覧ください!

ワコン株式会社
他の誰もしていないこと、できないことを、チームワークと創意と情熱で成し遂げ、お客様の物流をより効率的なものにするための製品とサービスとシステムを提案・提供しています。

★インタビュアー
和歌山信愛大学 谷口 航さん
和歌山信愛大学 藤本 龍宜さん
取材に行った感想は最下部から!【感想はこちら】

ワコン株式会社 西田社長.jpg
インタビュー:代表取締役 西田 耕平様
※インタビューの内容と回答の概要は質問をクリック!

 Q1.会社概要、御社のこれまでの歩みについてお話してください。

 70年前、父がワカヤマ梱包としてスタートしました。
当時、和歌山は繊維以降業が盛んで、製品の運搬には木箱を使用していました。
その後、木箱から段ボールの箱に物流は変化し、当社はその製造を行ってきました。

 Q2.御社が社会に対して目指していることはどのようなものですか。

 「日本の物流に新しい風を」をスローガンに、他の誰もしていないこと、できないことをしたいと思っています。
「日本の新しい物流システム」を構築することです。
一例です。
【ライフライン】
ブラジルで生産されたコーヒー豆が、地元の店で飲めます。
これが経済活動です。
今、物流のドライバー不足が課題になっています。
しかし、トラックの積み荷は、総積載量の半分程です。
かさばる荷物とかさばらない荷物を同時に運べないか。
積載率向上、100%に近づける。
これが新しい物流システム。

 Q3.それを実現するための具体的な取組を教えてください。

 小さい会社でも、誰にも出来なかった事を行い、それを成し遂げたいと思います。
社員が、他企業と協力・思考して失敗を恐れず、新製品を作り出す。
そう思っています。

 Q4.一般的な梱包資材から、コロナウイルスワクチン輸送BOXなど様々な製品を製造されているとお聞きしました。

 事業の3本柱を次に示します。
(1) 段ボール・・会社設立以来の商品です。

(2) 航空貨物(関空、成田)です。
飛行機の輸送料は船の10倍かかります。
しかし、より早く届けたい思いが航空貨物につながっています。
ヨーロッパへの荷物の搬送は船では約2カ月、飛行機では3,4日です。
この時間を、もっと短縮できないかとの思いから、13年前に関空内に梱包センターを作りました。

例えば、東南アジアへの荷物の輸送は、航空機使用で、フライトに7時間、
国内での移動、手続きに23時間、計30時間はかかります。
これを早ければ10時間以内、その日のうちに運べるようにしました。

(3) 保冷箱です。
保冷箱は30年前の形のものがずっと主役です。
しかし、問題点は、箱がミシン縫いだから水が入る。
保冷箱の中身は、」医薬品、」「食品」だから衛生的でなければならない。
今までの保冷箱は、水洗いが出来ない。耐久性が悪いという課題がありました。
ミシン縫いの保冷箱は、以前は日本で作っていました。
それが、安価な労働力を求めて、中国、ベトナムと移っていきました。
しかし、ミシン縫いは1個作るのに100分かかります。
安い労賃を求めて、製造国を変えれば、製品の運搬料が高くなります。

この課題解決に作ったのが新商品(クールワン)折りたたみ式ボックスです。
モスバーガー、楽天ネットスーパー(軽トラ、常温運搬)などで使用されています。

※他社が同じような商品を後出しました。
シェアーを奪われています。
それでも良いと考えます。
わが社はエポックメーカーになる。他の誰もしていないこと、できないことをする。

これがワコンの経営理念です。

 Q5.社員教育にも力を入れているとお聞きしました。

 ・社長塾があります。
講師は社長です。社長になりたい人に、土曜日、朝9:00~夜11:00
休憩なしに、経理、人事、マーケッティング、戦略等を講義、話し合う研修です。
東京、大阪、和歌山、千葉から、現在7名が参加しています。
他に、
・通信教育による研修
・合宿‥リーダー合宿や営業合があります。
(合宿をするなら楽しく。眠くならない合宿)

 Q6.毎年、営業職を募集されているようですが、御社が求める人材像についてお話ください。

 営業職・・相手の気持ちのわかる人、それに気付ける人です。
・全般的には、目的を持って仕事をする人、個性を出せる人
・何故その保冷剤(例えば)が必要なのか、ニーズを伺い、
お客様のために本当に最適な商品の提案が出来る人
・何故就職するのか?何のために仕事をするか、目的をしっかり持って仕事をしてほしい。

例 ヨシケイという会社があります。
カット野菜を運ぶために保冷剤の注文があった時、
キープクールのためにはクーラーボックスで対応する。
そのような発想ができる人です。
この、お客様のために、保冷剤ではなく「他と違うことをする」そのような人を求めます。

例 保冷剤。従来の保冷材は凍りにくく大きかったです。
この解消に薄い保冷材を作った。
しかし、新たな課題、薄型保冷材は、凍りやすいが解けやすいです。
この解決に薄型を複数枚使用することにしました。

薄型の保冷材は、製造が難しく作れないと業者から言われました。
業者から、完成はできなくても、開発費用は頂くと言われました。
そのリスクを覚悟して開発を依頼し、完成させました。

ワコン株式会社 中根様.jpg
インタビュー:BASE事業部 営業主任 中根 真美様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.現在、主にどのような仕事をされていますか。

 BASE事業部は段ボール製造、販売関係の部署で、営業担当しています。
営業範囲は有田以南。みかん、梅等の農家さん担当です。

 Q2.新会社の雰囲気はどうですか。また、仕事をする上で、大切にしていることについて教えてください。

 農家さんなどから直接聞いた声を、社内共有することを大切にしています。

 Q3.ワコンに入社して、成長したと思う事や、自身の変化について教えてください。

 中途採用2社目、勤務8年目です。様々な面で成長できたと思っています。
物作りは、お客様と製造元の調整が大切です。
この伝え方という面で成長したと思います。
最初、採用された時は、女性は私だけでした。
しかし、今、女性は増えてきました。
だから、先輩として「弱音を吐けない」と思っています。

 Q4.中根様をはじめ、活躍されている女性社員が多いとお聞きしました。どんなところが働きやすいと感じますか。

 営業は男性が多い職場です。女性は珍しいと言われます。
また、幅広い年齢層の中で働いています。
新規顧客の獲得数は多いです。これは女性の強みと思っています。

 Q5.学生時代を振り返って、学生のうちにやっておくべきだと思うことは何ですか。アドバイスも含めお願いいたします。

 学生時代は、お金がないが時間はたっぷりあります。
その間に、様々な人と関わってほしいです。
コロナ過を言い訳にしないで、SNS等色々なツールを使って行動してほしい、と思います。

取材の感想
信愛大学 藤本さん・谷口さん.jpg

谷口 航さん
今回の取材で、事業部の中根様にお話をお聞きし、多くの学びを得ることができました。特に、働く上で大切にしていることについてのお話が印象に残っています。
それは、会社で働くにあたり、会社全体で連携を取ること、そしてお客様が必要としていることを考え、関わりを持つことでした。
ワコン株式会社様では、工場、運送、営業など様々な職種の方々が働いています。そこで、より良くお客様に商品を送るために、会社では一人一人が日頃のコミュニケーションを大切にして働いていると知りました。
また、中根様の部署であるBASE事業部は、主に段ボール製造・販売を担当しており、中根様は紀南で農業を行う方々と関わる機会が多い。そのような中、営業職として大切にしていることは、お客様が必要としていることについて考え、お客様の気持ちになることだとお聞きしました。
日常生活で何気なく扱っている段ボールや保冷剤には、ワコン株式会社様の様々な工夫の積み重ねがあり、お客様のことを第一に考え、新たな商品を生み出しているということも学ぶことができました。
今回の取材で得ることができた経験を、これからの就職活動で活かせるよう邁進して参ります。本当にありがとうございました。

藤本 龍宜さん
今回の企業調査を通して、ワコン様は企業理念をとても大切にしていると感じました。「他の誰もしてないこと、出来ないことをする」という理念の下に、社員様が他企業と協力・試行して本当に新製品を作り出していました。
西田様は、私たちが理解しやすいように、例え話を多く取り入れお話くださいました。
私が印象に残ったお話は「電話」と「保冷箱」についてです。
今、私たちの世代は、当然のようにスマートフォンを使用しています。
しかし20~30年前には到底考えられないものでした。人々は新しいもの、便利なものを思考と工夫で作り出しています。
保冷箱のお話からも多くのことを教えていただきました。
保冷箱は、登場から30年経っても姿を変えずに活躍しています。会社では、そんな製品の登場から姿を変えていない物を、より良い姿に進化させる取り組みを行っていると教えていただきました。
このように今までに無いものを、スタンダードにしようとするワコン様の取り組みを聞いて、色々な視野から物事を見ることの大切さを学びました。

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