③ 中野BC株式会社

中野BC株式会社
わかやま働コーナー 企業調査隊 若年者地域連携事業

地域の中小企業への理解を深めて頂くために、
県内大学のキャリアセンターと連携し学生を募り、企業調査隊を結成しました。
学生レポーターによる企業取材を行い、県内企業の魅力をWEBで発信しています!

取材に御協力頂いた企業は全5社!

中野BC株式会社
清酒「長久」で培った発酵技術と研究開発をベースに 新たな挑戦をし続け、手の届きそうな夢を持ち、技術・研究・開発で世界に通ずるニッチトップのモノづくりを目指しています。

★インタビュアー
和歌山大学 菅 瑞希さん
和歌山大学 備中 綾さん
和歌山大学 濱口 奈那さん
取材に行った感想は最下部から!【感想はこちら】

中野BC㈱ 中野社長.jpg
インタビュー:代表取締役社長 中野 幸治様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.御社の企業理念、事業内容について教えてください。

 企業理念は、僕たち社是って呼んでいるんですけど「衆智を持って常に創造せよ」衆智っていうのは、みんなの知恵、そんな意味合いなんですが、そういったものを持って色んな開発をしていこうということです。

こういった社是を掲げながら僕たち中野BCは、うちの祖父の時代の醤油からスタートしたのですが、醤油からお酒を造りだしてお酒を基盤に、そこからもっと技術研究開発をしながら今は和歌山の国産品を使って、梅だったりみかん、柿、山椒を含めて、和歌山の国産品をより付加価値がある素材に変えていこうということで、研究開発をしながらものづくりをしております。

 Q2.御社の強みや特長を教えてください。

 僕たち中野BCの強みは、二つございます。

一つ目は、先程も申し上げたように「技術研究開発をしている」という点です。 何事も、ものづくりをしていく上では、やはり良い品質、良い高機能性、そういったものを造り上げるということで、僕達中野BCは研究所を持ちながら、その研究室スタッフが色んな研究をして新しい商品を生み出しているのが、一つ目の強みです。

また二つ目が「和歌山に特化している」ということです。 僕達中野BCの今の売り上げ構成比は、梅の素材のもの、梅酒とか、梅の健康食品で6割のシェアを持つのですが、そういった中で「和歌山のものをどんどん良いものに変えていこう」「和歌山にいるからこそ、和歌山らしい食品を作ろう」ということ、これが二つ目の強みになっています。

 Q3.今後の事業展開についてお聞かせください。

 先程、梅ということに特化しているということをお話させて頂きましたが、そういった中で、和歌山ってもっともっと良いものがあるんですね。

実際、外に出にないと分からないことってよくありますが、そういう中で、梅、柿、山椒、みかんっていうのが和歌山生産高ナンバーワンです。そういったものを、もっともっと和歌山で良いものに変えていくこと。そしてまた国内ないし、海外に展開していくっていうことを、もっと、深堀をしていきながらですね、良いものづくりをこれからもしていきたいなという風に思います。

【学生】さっき梅酒を試飲したんですけど、とても美味しくて、梅の香りがして素晴らしいなと思いました。

やっぱり梅酒の方が飲みやすいの?

【学生】飲みやすい。

全員お酒を飲むの?

【学生】梅シロップで、色んなアレンジとかをさせて頂いたんですけど、どれも凄く美味しかったです。

お酒自体は飲むの?

【学生】お酒はあまり飲まないですね。

でも、僕達もお酒に特化すると20代以上の人がターゲットになるので、そうではなくて梅シロップにしたり、やっぱり色んな人達、色んな世代の人達に気に入られるように、これから展開していきたいなというのは一つの目標だと思います。

去年まで梅酒バーとか、日本酒バーとかイベントをしていたのですが、その時の僕達のイベントのコンセプトは「お子さんも連れて来れるようなイベントにしようよ」っていうことを言っていました。小さい頃から中野BCに来てくれている、そんな方が例えば20歳になった時、お酒を飲めるようになった時に「中野BC行ってたよな」っていうような、そんなイベント作りをしてきました。飲む人飲まない人っていう概念ではなくて、和歌山の人達も含めて色んな人達が、僕達の場所に来て貰えるというようなことをしていきたいと思います。

逆にシロップの飲み方、色んなアレンジっていうのは、僕達お酒は色んな提案はある程度出来るけど、ノンアルコールの提案は弱いと思うので、そういった部分は、飲まない人達の目線で色んなアレンジをしてほしいと思います。

【学生】イベントは県外でされているんですか?

県外ではやらなくて、僕達うちのここの場所でやっていたのですが、去年は3000人ぐらいの方にお越し頂きました。なぜイベントをやったかというと、やっぱり作り手って外に出れないので作り手の市場とか、お客さんの声が分かるようにっていうことがありました。もちろんお客さんとしてお子さんしかり、ほんとに3世帯にわたってお越し頂いたり、それと商品だけ美味しいではなくて僕達の顔が見えるというか、中野BCの「あのスタッフ良かったね」とそんなふうに思ってくれて、うちの商品を買ってくれるっていうのが一番いいのかなと思っています。

このコロナの時代でイベントもこれから出来ないし、また形が変わってイベントをしていかないといけないという風に思います。もちろん自分たちの所で、和歌山でイベントが出来る時に、全国から色んなお客様が来れるわけではないので、そこも例えばオンラインで酒蔵見学が出来ていけばいいだろうし、これからこの時期にあわせて、色んな提案の仕方っていうのを僕達は変えていかないといけないので、そこはちょっと僕達も勉強していきながらやっていこうかなと思います。

 Q4.どのような人材を求めていますか。

 僕達としては「誰にも負けない」っていうような、自分の強みっていうのを持っている人達がほしいなと思います。それはなぜかというと、やっぱり誇れるものがある方が、人間生き生きするだろうし、誰にも負けないっていう自負っていうのは凄く重要です。でも謙虚さっていうのは必要だと思います。やっぱりそういった部分では「ここは誰にも負けへんで」っていうようなそういったものを持ちながら、本当に邁進していっている姿っていうのは、何においても重要だと思うので、学業然り、例えば学生さんだと、サークルなどで色んなことをされていると思うのですが、その中で自分しか持っていないオンリーワンっていうのを持っている人は、これから僕達も含めて、人材として欲しいという風に思います。

また、そういったものを持ちながら、様々な角度から物事を見れるっていうのは、うちの会社ではすごく重要視をしています。うちの会社では「ここの部署にいるからこの仕事しかしないよ」というわけではなくて、今、一人3種類の仕事をしてもらおうという風にしています。やっぱり立場立場に置いての考え方だったり、行動って変わってくるので、逆に言うと他部署から見ると「そこの方法がおかしい」「ここが違うじゃん」って思ったりとか、そういうような立場によって違ってくることがよくあります。それを要は他の立場に置き換えて、自分が物事を捉えられるか。

例えば皆さんだと、同年代でこの商品を売りたいっていうのは勿論わかると思うのですが、そうではなくて、例えば僕みたいな40代の人が、どういった物を欲しているのかっていうのを分かっていく、それが様々な角度から物事を見ていくっていうところに繋がっていくと思うし、それがいずれは経験値やいろんなものでカバーは出来ると思うのですが、そういった2点が僕としては非常に欲しい人材かなという風に思います。

 Q5.就職活動中の学生に対してメッセージやアドバイスをお願いします。

 これからの時期っていうのは、凄く大変な時代というか、ほんとにコロナにおいて、旅行業然り、いろんな業種が厳しいというような状況になってきました。それはほんとに去年では考えれなかった部分だと思います。そういった中で企業としても非常に苦しい中、就職活動もすごく厳しい状況になってると思います。

ただ、そんな中でも、先程も申し上げたようにオンリーワンのものを持っていたり、やっぱり皆さんがキラリと光るものを持っていたら、企業もそれを吸い上げて採用をもらえると思うので、そういった部分をもっともっと企業側にアピールをして頂けたらと思います。

湯川さん.jpg
インタビュー:通販部 Eコマース課 係長 湯川 直樹様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.産休、育休の取得率と女性社員と男性社員の割合を教えてください。

 産休育休に関しましては、希望されている方は皆さん取られている状況です。現在、産休1名、育休1名、実は育休をとっているのはうちの奥さんなのですが、制度が出来てから約10名、育休の方を活用しております。

男性の育児休暇の制度はあるんですけど、今のところ弊社では取得している方はおりません。

 Q2.新入社員のうちから様々な仕事を任せて頂ける機会はあるのでしょうか?

 4月に入社されて9月迄、研修という形で様々な部署や会社のお話をさせて頂いております。そして10月以降に関しましては、配属の部署にいきタイミングによって色んな仕事を責任を持ってやってもらい、プロジェクトチームに入って会社の為に貢献するような仕事をして頂きます。

【学生】3種類の仕事を任せて頂けるということなんですけど、それは3つの場所に配属されるということでしょうか?

部署というのは1つになるのですが、やはり1つの部署でもやること沢山あります。僕、今Eコマース課にいますが、ネットでものを売る、その中でもお酒を売る、健康食品を売る、又はアロマなども売っています。今一番の観光部門の所も責任者としてやっていますので、今こういうコロナ禍ではありますけれど、観光の部署の売店でどのように売っていくかということをしています。

 Q3.新型コロナウイルス感染拡大前と後では、どのような変化がありますか。

 一番影響があったのは、うちの酒類の営業になります。当然ながら訪問して商談することが、訪問先がテレワークになったりとか、商談禁止というような話もありまして、実際営業に行けない、商品をPRできないというような状況が続いております。

時代も学生さんもそうだと思うのですが、WEBで商談とか、WEBでオンライン酒蔵見学みたいな、そんなこともこれから企画しているのですが、そういったところかなと思います。ただ今後は飲食店さんはかなり苦しいかと思うので、そういったところを僕たちとして、どう盛り上げていくかという所が課題かなと思っております。

【学生】有難うございます。

30妹尾さん.jpg
インタビュー:通販部 Eコマース課 主任 妹尾 綾様
※インタビューの内容は質問をクリック!

 Q1.普段の職場の雰囲気や、社員の平均年齢を教えてください。

 正社員の平均年齢は約39歳です。30代から40代が多い部署にはなるのですが、もちろん20代の若いスタッフも頑張っている会社になります。

職場の雰囲気としては、よくいわれている上司、部下の垣根が無いっていうのが1つの特徴です。部署間の垣根がなくて、大きい会社だったら営業系と製造系が分かれていたり、営業系だったら都市部のビルに入っていて、工場は別の所にあるっていうことが多いと思いますが、うちの会社は中小企業で全部一つの土地の中に入っていて、営業系の売る側と製造側の作り手同士が、普通に歩けば会って「おう」とフラットに気軽に話し合える会社なので、そういうところが仕事に活かされているのかなと思います。

【学生】有難うございます。

 Q2.御社が現在力を入れている商品を教えてください。

 一つ目のキーワードは、やっぱり和歌山なので「梅」になると思います。もちろん梅といってもお酒であれば梅酒や、梅酒の蒸留酒、バーに置かれている度数の高いお酒も造っています。これから力をいれていきたいというところでは、健康食品をやっていきたいと思います。

中野BCってお酒のイメージが強いのですが、健康食品を作り続けて十年ほどたっている会社です。梅はお酒に使うだけではなくて、健康にも色々と使う事ができます。200年の歴史から数えると中国から入ってきて、奈良時代から日本では健康的な素材として、とても長く使われています。

そういったものを未来に引き継いでいくことで、今の時代に合った形で健康食品の開発を行ってきました。今は通販が主な販路ではありますが、これからのコロナ時代、非常にオンラインで買われる方が増えたところもあるので、色々なオンラインも活用しながら、日本国内だけではなく海外にも、日本の健康素材を発信していくことに、力を入れていきたいなと思います。

【学生】例えばどういった健康食品がございますか?

代表的なのは「梅エキス」です。初めて聞いたと思うのですが、青梅の果汁を煮詰めてドロドロにしたすごく粘り気のあるペースト状のもので、すごく酸っぱいです。

それが和歌山の南の方に行ったらおばあちゃんが手作りしていて、おなかが痛い時「これ舐めときなぁ」って舐めたらすぐに治ります。殺菌力が凄くあるので、のどがイガイガする時に舐めると、風邪をひく前に止めれるということが昔から和歌山にはあり、そういうものも作っています。ただ、酸っぱいのが苦手な人が多く続けられないので、そういう人達が手軽に梅を取り入れられるように「梅真珠」という商品も売っていまして、それが一番の主力商品になります。

【学生】有難うございます。

 Q3.コンスタントに新商品を出し続けている印象がありますが、どのように
して次々と新商品を生み出せているのでしょうか。

 大きく二つありまして、一つ目はプロジェクトチームという新商品を売り出すセクションになります。そこは、売り手と作り手が部署の垣根を越えて一つのグループになり、例えば売り手が「こんなもの作りたいんだけど、どう?」とか、すぐに作り手に相談できるので、余り時間を空けることがなく、すぐにそのグループ内で形を作ることが出来ることだと思います。

二つ目は、色々なことをやっている会社なので、もちろんお酒や健康食品、あとは素材関係で梅の果汁など、BtoCではなくてBtoB。例えば梅のお菓子があったとしたら、そこに使っている梅の素材は中野BCが作っています。ようは商品に出る前にその作っている会社さんに売ることもしているので、そういったものを売っている部分で一つのことに囚われず色々な視点をもっている会社で、そういうところもコンスタントに世間的な情報を仕入れながら、新商品を出せていってるという点があるのかなと思います。

【学生】有難うございます。

取材の感想
学生3人.jpg

☆菅 瑞希さん
中野BC株式会社の取材を通じて、和歌山をより良くしていこうとする気持ちや、ものづくりに対する姿勢を知ることが出来、大変勉強になりました。
また社員さん同士、仲の良い雰囲気が伝わってきて、素敵な職場だなと思いました。

☆備中 綾さん
中野BC株式会社は和歌山らしさを目指して、梅、みかんなど和歌山県で多く生産されている特産物を使って商品を作っていることに、深い関心を持ちました。
また、オンリーワンなど「自分にしかない強みを持つことが大切である」という言葉がとても印象に残り、今後は私も自分にしかない強みを持ち、自信をもって就職活動に挑みたいと思いました。

☆濱口 奈那さん
中野BC株式会社の和歌山の素材を活かしながら、多くの商品を開発し販売しているというところに関心を持ちました。
インタビューでは、和歌山に貢献できる企業であり続け、和歌山の良さをより多くの人に広めていくと仰っており、地元和歌山を大切にする気持ちが大変伝わってきました。
普段企業の方と話をさせて頂く機会というのはあまりないため、貴重な経験で勉強になりました。

このページの先頭へ